2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト智歯由来組織幹細胞のステムネス性とiPS細胞誘導効率の検証
Project/Area Number |
21659464
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 敏之 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (50226172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 大二郎 岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (60377653)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50345790)
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40397336)
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Keywords | ヒト / 智歯 / 歯髄 / 幹細胞 / iPS細胞 |
Research Abstract |
ヒト歯髄由来細胞は、増殖性・iPS細胞誘導効率の観点から、有望な再生医療資源となることを、これまで示して来た(Takeda et al.J Dent Res.2009:Tamaoki et al.J Dent Res.2010)。しかしながら、継代培養によるステムネス性の喪失が問題点の一つとしてクローズアップされて来ている。そこで、本研究では、低酸素培養がステムネス性維持の一つの方策になると考え、低酸素培養条件がヒト歯髄組織幹細胞のステムネス性に及ぼす影響を検討した。 結果、低酸素培養(3%O_2)により、増殖性の向上、初代培養の樹立効率の向上(特に高齢者歯髄からの樹立効率の向上)が観察された。また、低酸素培養によりstro-1(未分化マーカー)陽性の細胞の維持と分化能(dentine matrix 1 etcの発現維持)が観察され、ヒト歯髄細胞のステムネス性維持および樹立効率向上に、低酸素培養は有望な手段と考えられ、このステムネス性の維持は、iPS細胞化効率の向上にも寄与する可能性を見出した(Iida et al.Archives of oralbiology,2010)。また現在、低酸素培養によって維持されたステムネス性がiPS細胞樹立に及ぼす影響について検討し、遺伝子(山中因子)導入後に低酸素とすると、iPS細胞コロニー出現が抑制される傾向が観察されている。この現象は再確認と機序の解明が必要と考えている。
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Research Products
(5 results)