2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659466
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪井 丘芳 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90379082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 幹司 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (20346167)
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Keywords | 口蓋裂 / 口蓋閉鎖 / 遺伝子 / プロファイル / マイクロアレー |
Research Abstract |
口蓋の発生機序は両側の上顎突起より口蓋突起が発生し、癒合する際に、口蓋板の成長と水平転移または挙上、上皮細胞の接着と自己分解、間葉の癒合という段階を経ると言われているが、いずれかに障害が生じると口蓋裂が発生する。本研究では、マウス胎仔口蓋をモデルとして用い、口蓋閉鎖に寄与する遺伝子群を明らかにし、新しい口蓋裂の治療法を探究することを目的としている。 1)口蓋突起上皮に特異的に発現する遺伝子の発現確認 口蓋突起癒合時期における口蓋突起上皮に発現する遺伝子のプロファイルの中では、次のような遺伝子の発現が上昇していた。Carcinoembryonic antigen-related cell adhesion molecule 1(Ceacam1),Krt13(Keratin 13),Car3(Carbonic anhydrase 3),Fmo2(Flavin containing monooxygenase 2),Hdc(Histidine decarboxylase), Armc3(armadillo repeat containing 3)の中から、一つずつRT-PCR法でmRNAレベルでの発現を確認した。血管新生と細胞間接着に関与するCEACAM1という遺伝子が口蓋癒合時に強く発現していた。抗CEACAM1抗体を入手し、免疫組織学的解析を行うと、口蓋癒合中から癒合後にかけて、CEACAM1が口蓋突起先端部に強く発現していることが確認された。 2)器官培養を用いた機能阻害実験 機能阻害抗体にて口蓋癒合が阻害され、CEACAM1の口蓋癒合への関与が示唆された。現在のところ、CEACAM1の器官形成に対する関与は報告されていない。今後、遺伝子改変マウスの解析を検討しながら、口蓋癒合に対する関与とそのメカニズムについて解析を進めていく予定である。さらに、他の遺伝子も含めて、口蓋閉鎖に関与する可能性のある遺伝子を網羅的に検索していく予定である。
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Research Products
(6 results)