2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の形質に関わるMicroRNAとその標的遺伝子の解析
Project/Area Number |
21659469
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (00200824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (40363288)
森下 慶子 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (10527584)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / マイクロRNA |
Research Abstract |
株化口腔扁平上皮癌(OSC)細胞を用いたMicroRNA (miRNA) microarray解析によって、OSC細胞において発現低下を示す13種類のmiRNAを同定し、その中の一つであるmiR-34aについていくつかの検討を行った。 まず、舌癌16症例のパラフィン包埋組織より正常組織と癌組織を切り出し、RNAを抽出した後、miR-34aの発現をリアルタイムPCRにより検討したところ、癌部におけるmiR-34aの発現は隣接した正常組織における発現に比べて低下しており、癌部におけるmiR-34aの平均発現強度は正常組織の約0.65倍であった。次に、miR-34aがOSC細胞の増殖・浸潤にどのような関わりを有しているかを検討すべく、miR-34aを強発現させた、あるいは、ノックダウンしたOSC細胞を用いて、増殖能、細胞周期ならびに浸潤能をそれぞれMTTアッセイ、フローサイトメトリー法およびInvasionアッセイにて検討した。その結果、OSC細胞にmiR-34aを導入すると細胞増殖は抑制され、その際、GO/Gl期の細胞比率が増加するとともにS期およびG2/M期の細胞比率が減少し、GO/Glアレストが生じていることが明らかとなった。さらに、OSC細胞にmiR-34aを導入したところ、細胞浸潤は抑制され、逆にmiR-34aのノックダウンにより細胞浸潤は亢進した。以上のことより、miR-34aはOSC細胞において癌抑制遺伝子として作用していることが示唆されたが、今後はmiR-34aがOSC細胞の放射線および抗癌剤に対する感受性にどのような影響を及ぼすのかを検討する予定である。
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Research Products
(2 results)