2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の形質に関わるMicroRNAとその標的遺伝子の解析
Project/Area Number |
21659469
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (00200824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (40363288)
森下 慶子 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (10527584)
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Keywords | マイクロRNA / エクソソーム / 口腔扁平上皮癌 |
Research Abstract |
【目的】マイクロRNAは20-24塩基からなる極めて短いRNAであり、標的m脳Aに配列特異的に結合し、その分解あるいは翻訳阻害により機能を発揮する。返年、様々な癌においてマイクロRNAの発現異常が示されるとともに、癌の悪性度や予後との関連、治療標的になる可能性などが多数報告されている。さらに、マイクロRNAは細胞内で生理作用を示すだけでなく、エクソソーム中に取り込まれたのち細胞外へ分泌され、他の細胞に取り込まれて機能することが報告され、マイクロRNAが細胞間情報伝達にも関わっていることも明らかになってきた。そこで本研究では、株化口腔扁平上皮癌(OSC)細胞が分泌するエクソソーム由来マイクロRNAを精製し、その役割について検討した。【材料および方法】当科で樹立したOSC細胞を48時間培養した後、培養上清より超遠心法でエクソソーム画分を回収した。その画分より蛋白質を抽出し、エクソソームバイオマーカーであるCD9およびCD63の発現をWesternblot法にて検討した。その後、エクソソーム画分よりRNAを抽出し、これまでの検討において口腔扁平上皮癌において癌抑制遺伝子として作用するマイクロRNA (miR-X1)の発現をリアルタイムPCR法にて検討した。これらとともに、OSC細胞由来エクソソームがOSC細胞の増殖、浸潤に及ぼす影響について、MTTTアッセイおよびスクラッチアッセイにて検討した。【結果】OSC細胞は培養上清中にCD9およびCD63を発現するエクソソームを分泌しており、エクソソーム画分にはmiR-X1を含むマイクロRNAが検出された。さらに、培養上清中に分泌されたエクソソームでOSC細胞を処理すると、OSC細胞の浸潤・増殖が抑制された。【結論】OSC細胞はマイクロRNAを含むエクソソームを分泌しており、これがOSC細胞の浸潤・増殖に影響を及ぼしていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)