2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659473
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森山 啓司 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20262206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塙 隆夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90142736)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (90187732)
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Keywords | チタン / コラーゲン / 耐久性 / 電着 / 表面解析 / 細胞接着力向上 / 細胞接着効率促進 |
Research Abstract |
近年用いられている矯正用インプラントアンカーやデンタルインプラントなどの体内から体外へ貫通する医用デバイスでは、軟組織-金属間の結合力が必要となるが軟組織の剥離による細菌侵入とそれに伴う細菌感染が問題となっている。そのため金属表面への細胞接着効率の促進と細胞接着力の向上をはかるための表面処理技術の開発が求められている。これまでコラーゲンやラミニンなどの細胞外基質タンパクが細胞接着の促進のために用いられてきたが、これまで行われてきた浸漬による固定化では、金属表面から剥離しやすいという欠点を有していた。そこでこれらのタンパク分子を高い耐久性を有した状態で固定化するために、電着でコラーゲンの固定化を行いその固定化層の耐久性を評価した。さらに電着条件ごとの耐久性も評価し、高い耐久性を付与する電着条件を求めた。 条件を最適化したコラーゲン電着を行うことで従来の手法である浸漬法と比較して剥離に対する耐久性の高いコラーゲン固定化層が得られた。したがって、本手法で作製したコラーゲン層はデバイス埋入時の剥離に抵抗し、埋入後も細胞接着効率促進と細胞接着力向上の作用を維持する可能性がある。このことから、軟組織-金属間における微小間隙の形成と細菌感染の防止が今後期待できる。 本研究はコラーゲン電着固定化層の耐久性の評価を初めて行ったものである。また、口腔領域における矯正用インプラントアンカーやデンタルインプラントなどへの応用のみならず多くの医療用デバイスに応用できる可能性があるため、今後の医学・医療全体の発展に寄与する所が大きいと考えられる。
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Research Products
(5 results)