2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウス作製技術を応用した歯根膜再生モデル動物の開発
Project/Area Number |
21659481
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 正寛 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40215562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (40359849)
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Keywords | 再生 / 歯根膜 / 遺伝子改変マウス / 創傷治癒 / 発生 / transgenic mice / 結合組織 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
歯根膜は歯を支える靭帯構造を有する結合組織で、機械的外力に耐える構造を有する。この組織は歯周病の標的組織でありことから、歯周病の効果的な治療薬を開発するためには、歯根膜再生の分子メカニズムの解明が必須になる。しかし歯根膜の発生は不明な点が多く、中心的な役割を果たす分子も同定されていない。我々はADAMTSL6βが歯根膜の弾性機能を司るオキシタラン線維の形成を制御していることを明らかにした。そこでADAMTSL6βが歯根膜形成に関わるかを解析するため、ADAMTSL6βを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製した。これまでCAG-promoterを用いて歯根膜で強制発現できる事が報告されたので、同じシステムを用いてADAMTSL6βトランスジェニックマウスを作出した。その結果、歯根膜でADAMTSL6βの過剰発現が確認され、マイクロフィブリルの主成分であるfibrillin-1線維の形成促進が観察された。また、その結果として歯根膜の弾性機能であるオキシタラン線維の形成も有意に増加することが観察された。次に全身に及ぼす影響を解析したところ、大動脈においてもADAMTSL6βの過剰発現が確認され、fibrillin-1線維形成の促進に伴う弾性板の増加が観察された。しかし短小化も観察されたため、マイクロCT解析を行ったところ、骨組織の短縮化が観察され、骨格形成阻害が起きている事が判明した。以上の結果より、CAG-promoterシステムを用いれば、歯根膜内での遺伝子機能解析が可能なtransgenic miceの作出が可能であることが示された。またADAMTSL6βは歯根膜のみならず結合組織全般においてマイクロフィブリル形成を誘導していることが示された。
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Research Products
(11 results)