2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織幹細胞のエピジェネティクスとその制御の分子基盤
Project/Area Number |
21659482
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 伸也 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
橋川 智子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00362682)
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Keywords | 歯周組織幹細胞 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / 歯根膜組織 |
Research Abstract |
本研究課題では、歯周組織幹細胞、歯根膜細胞のエピジェネティクス情報とその生物学的な意義について、DNAメチル化に焦点を絞り解析を進めている。 本年度は、歯根膜組織特異的遺伝子であるPLAP-1とperiostinの両遺伝子に着目し、ゲノムDNA配列をもとにプロモーター領域におけるCpGアイランドの存在について探索した。結果、両遺伝子のプロモーター領域にCpGアイランドと考えられる領域は存在しなかった。 そこで、歯根膜組織由来細胞の全遺伝子を対象とし、DNAメチル化がその細胞機能を制御しているのか否かについて、DNAメチル化阻害剤である5'-azacytidineをマウス歯根膜細胞株であるMLDP22に作用させ、その細胞形態や増殖、分化に及ぼす影響について解析を行った。まず同試薬の細胞毒性について検討を行ったが、10nM-10μMの濃度で細胞の形態や増殖に影響を与えないことを確認した。次にMPDL22を10nM-10μM 5-azacytidine存在、非存在下でアスコルビン酸、グリセロリン酸による石灰化誘導を行い、同細胞の分化、あるいは石灰化ノジュール形成にDNAメチル化が関与しているのか否かについて検討した。培養21日目におけるアリザリンレッド染色の結果、いずれの濃度においても同試薬非存在下とほぼ同等の石灰化ノジュール形成を認めた。この結果より、マウス歯根膜組織由来MPDL22細胞では増殖や分化に関わる遺伝子群においてDNAメチル化による制御がないことが示唆された。現在、間葉系幹細胞様の未分化な細胞群を含むheterogenousな細胞であるヒト歯根膜組織由来細胞を用いて同様の実験を遂行中である。
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Research Products
(1 results)