2010 Fiscal Year Annual Research Report
超磁歪ディバイスを用いた歯科治療騒音のステルスノイズキャンセリングシステムの開発
Project/Area Number |
21659484
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪狩 俊郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (10142994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 温 東北大学, 病院, 助教 (50333828)
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Keywords | 音響制御 / ノイズキャンセリング / 超磁歪ディバイス / 歯科用タービン |
Research Abstract |
歯科治療時の切削器具であるタービンやエンジンが発生する騒音は,患者にことのほかストレスを与え「幼児の歯科治療忌避行動」、医原性疾患の「歯科治療恐怖患者」の発生、「心臓病や高血圧症患者の不治の転帰」を招くことが知られてきた。 音・騒音が基本的に物質の歪みによって発生すること、および音・騒音は外耳(耳)からと、頭蓋骨などの骨を通しても伝わることから、それらの反位相音を利用して騒音を消去することを試みだ。 音は感音性騒音・骨伝導性騒音のほかそれぞれが、低周波・高周波、持続騒音・断続騒音に分類され、 (1)低周波領域の騒音の消去には、歯科治療室の室内定常騒音(恒常騒音)の収集分析し、反位相音を作成して行った。 (2)高周波領域の騒音には超磁歪ディバイスを用い、反位相波の作成を試みた。 (3)骨伝導性騒音は骨伝導性マイクロフォンを使用して採取し、パソコンで反位相音を作成した後に、改めて騒音を発生させ,反位相音を骨伝導性スピーカで再生することによって検証した。 その結果、タービンなとによる歯科治療時の切削器具による騒音のうち (1)いわゆる耳から入ってくる感音性騒音といわれるものに関しては、その低減には基本的に市販のデジタルノイズキャンセリングシステムが極めて有用であった。 (2)断続騒音と、分離断続騒音自体の消音はシミュレーションシートは物理的には可能であったものの、反位相音の発生にタイムラグが生じることより現状では実際的ではなかった。 (3)感音性スピーカーと、骨伝導性スピーカーを併用することにより、ハウリング様騒音が発生したが、原因は分からなかった。
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