2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の精神機能を高める看護コミュニケーション・スキルの開発
Project/Area Number |
21659491
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮島 直子 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (60229854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片丸 美恵 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 助教 (00451401)
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Keywords | コミュニケーション・スキル / 高齢者 / 精神機能 |
Research Abstract |
高齢者と看護者のコミュニケーション場面をフィールドワークと文献から生活援助の視点で7つ抽出した。それらは、場面1(はじめの挨拶)、場面2(食事の声がけ)、場面3(トイレへの促し)、場面4(入浴の声がけ)、場面5(散歩の誘い)、場面6(レクリェーションへの参加の促し)、場面7(おわりの挨拶)である。 上記の7場面それぞれについて、相手となる高齢者の条件(難聴と認知障害の程度など)を明示して、参加協力者10名の声かけ時の音声を録音しデータとした。なお、声かけは研究者が事前に用意したセリフと参加者が普段行う声かけの2種類である。その後、高齢者とのコミュニケーション(言語、非言語)における留意点や工夫点および経験を通して大切だと考えていることについて半構成的に1時間程度のインタビューを実施した。参加協力者の年齢は30歳代~60歳代であり、内訳は男性4名、女性5名、高齢者と接する機会が多い経験豊富なホームヘルパー5名と対人的職業をもたず高齢者と関わる経験も少ない5名であった。 音声データに対する分析では、母音と子音の組み合わせについては、母音を多く使用する傾向にあり、擬音語と擬態語については、今回の調査では使用が認められなかった。しかし、インタビュー内容から、その人にとっての馴染みの言葉を使用することが工夫点としてあげられており、馴染みがある場合には使用される可能性が大きい。声の大きさについては、ホームヘルパー内でばらつきが大きかったことが、注目される結果であった。この点は更に他の要因と複合して分析する必要がある。イントネーションについては、ホームヘルパーで共通した特徴がみられ、重要な言葉については、一音一音をアクセントし、全体的にイントネーションをつけない傾向があった。また語と語の間のポーズを長くとるという特徴も認められた。これらの特徴は、難聴と認知障害がある高齢者にとって、理解を高めるために有効だと考えられた。
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