2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム対象者の皮膚障害に対するスキンケアの開発
Project/Area Number |
21659494
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤瀬 智子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50276630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50143920)
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Keywords | 看護学 |
Research Abstract |
本研究は、生化学的アプローチ法でメタボリックシンドローム(MS)の皮膚障害の実態を把握しメカニズムを解明し科学的根拠のある看護技術の開発を行うことを目的としている。昨年度はMS皮膚の潜在性炎症所見等の皮膚の実態所見を検証した。本年度は、その潜在性炎症に対するメカニズムを検討するために酸化的ストレス因子の関与について検討した。その結果MS皮膚の酸化ストレス所見が80HdG免疫染色において観察され、外的刺激である紫外線照射により更に著しい所見が観察された。また、皮膚のmRNAを抽出し酸化ストレスマーカであるHO-1,炎症性マーカであるcox2をリアルタイムRT-PCR法にて測定した結果、両方とも有意に増加しており、紫外線照射にてより著しく増加した。抗酸化剤投与にて両マーカとも有意に減少し、皮膚組織の80HdGにおける酸化ストレス所見も減少した。その結果MS皮膚の潜在性炎症は、酸化ストレスが関与することが明らかになった。次にその酸化ストレスは、肥満によるアルドステロン(Ad)増加が皮膚のミネラルコルチコイドレセプター(MR)を介して引き起こしていることを仮説とし検証をした。まずMSマウスの血清Ad濃度をRIA法にて測定した結果、有意に増加していた。またMSマウスのMRの遺伝子発現量が増加しており、AdがMRを介し活性化されるSgk1遺伝子発現量も増加していた。抗MR剤投与にてSgk1遺伝子発現量は減少した。皮膚MRを介して酸化ストレスが減少する経路の存在が確認されたが、抗酸化剤投与でもSgk1の遺伝子発現量は減少した結果から、酸化ストレスによりSgk1活性化を引き起こすフィードバック機構の存在する可能性も考えられた。皮膚MRの組織学的な存在およびAdがMRと結合した場合の核内移行像は次年度確認する必要があると考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Aging-Like Skin Changes Induced by Ultraviolet Irradiation in an Animal Model of Metabolic Syndrome.2011
Author(s)
Akase T, Nagase T, Huang L, Ibuki A, Minematsu T, Nakagami G, Ohta Y, Shimada T, Aburada M, Sugama J, Sanada H.
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Journal Title
Biological Research for Nursing
Peer Reviewed
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