2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護学の発展に寄与する臨床実践者が取り組む研究モデルの創造
Project/Area Number |
21659501
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂下 玲子 University of Hyogo, 看護学部, 教授 (40221999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 嘉枝 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60304119)
若村 智子 京都大学, 医学系研究科, 准教授 (40240452)
宮芝 智子 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (20321119)
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Keywords | 看護研究 / 研究デザイン / 支援体制 / 臨床 / 実態 |
Research Abstract |
平成21年度は、下記に示すように臨床看護職が行なう看護研究の意義と可能性の検討を行った。 1. 臨床看護研究に関する文献検討 医学中央雑誌を用いて、過去17年間の国内の文献に関して検索を実施し、関連する424件の文献について検討した。 2. 臨床における看護研究の全国実態調査および組織の看護研究に対するニード調査 全国の100床以上の病院より3000病院を無作為に抽出し質問紙の郵送調査を実施し、施設での看護研究の取り組みの状況(目的、対象、研究内容、組織的な支援状況、研究環境、公表方法、成果等)、組織の看護研究に対するニード(研究を行なうことで期待する効果、臨床研究を促進する上で必要な支援、今後整備していきたい内容、現在の問題点と解決方法等)について尋ねた。その結果、回答数1130、回答率37.7%を得た。そのうち979病院(87.3%)が看護研究に取り組んでいた(以下、979病院を対象とし%を示す)。研究の第一の目的に61.6%が「スタッフの教育」をあげ、次いで患者サービス向上が19.5%、看護ケアの開発や新知識の提示はそれぞれ5.5%、1.9%と低かった。このように「看護研究」という言葉は、臨床の場では、従来の学問的定義とは一致しない多様な目的や内容が含まれ使われていることが明らかとなった。研究は80%程度の施設で半強制的に実施されているにもかかわらず、業務内で研究に使われる時間を確保しているところは7.4%に過ぎなかった。研究支援のため、研究会を開く(68.5%)、委員会を設置する(59.5%)など、組織的な努力はされているが、費用負担は10万円以下の回答が多く(31.7%)、文献データベースを活用しているのは37.0%であった。研究成果は地方や全国の学術学会で発表されていたが、学術雑誌に投稿すると回答したのは14.8%であり、研究結果は十分公表されていないと考えられた。
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Research Products
(2 results)