2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659511
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田中 晶子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90424275)
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Keywords | touch / stroke / 呼吸数 / STAI / VAS |
Research Abstract |
【研究目的】本研究の目的は、指圧等の触覚刺激が脳に与える効果を明らかにすることであるが、今回は「touch」「stroke」刺激が呼吸・発汗・自立神経に及ぼす影響を明らかにした。本実験は昭和大学保健医療学部の倫理委員会の承諾を得、被験者から同意を得て行った。【方法】健常成人8名に、実験前に筆記でSTAI(不安の程度)、実験後にVAS(快・不快の程度)を筆記してもらった。実験プロトコルは閉眼状態で安静(4分)→刺激(1分)→安静(4分)を2回繰り返した。呼吸は分時換気量・1回換気量・1呼吸時間・吸息時間・呼息時間・呼吸数・呼気終末炭酸ガス濃度を測定。発汗測定は母指1cm^2に検出された発汗量を測定。自立神経測定はR-R間隔1msを周波数解析し、各測定結果は、PC上のPowerLabに保存した。分析はSPSS Version18を用いた。呼吸測定値、発汗値と自立神経値は2元配置分散分析で分析した。STAI及びVASと発汗・自立神経・呼吸状態に関してはt検定で分析した。【結果】呼吸数は「touch」「stroke」間で交互作用が認められ、刺激前半(30秒間)・後半(30秒後~1分)刺激終了30秒後に有意差があり、「stroke」時は呼吸数が増加し、「touch」時は減少した。また「stroke」前安静と刺激後半で有意差が認められた。発汗量及び自立神経に関して有意差は認められなかった。STAIには特性不安と状態不安があるが、状態不安値が高い人は「stroke」時の呼吸数が増加し、有意差が認められた。しかしばらつきが大きかった。VASとの関連は認められなかった。【考察】「stroke」は呼吸数を増加させ「touch」は減少させるという違いが明らかになり、状態不安が高い人程「stroke」時に早い呼吸となることが示された。今後は被験者の数を増やし、STAI及びVASと各刺激間の関連性をより明確にしていく。この結果を基に、意識障害患者に実施し、その触覚刺激の効果を明らかにする事を目的とする。
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