2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659511
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田中 晶子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90424275)
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Keywords | さする / 触れる / 呼吸 / 情動 / 健常者 / 意識障害患者 |
Research Abstract |
指圧における文献調査から、指圧療法を実践するには、かなりの時間と手技習得のための研修会が必要になることが明らかになった。そこで申請者が以前に行った光トポグラフィーを用いたハンドマッサージ研究で導きだされた、さする刺激と触れる刺激には脳の活動に違いがある(田中,2009)という結果を基に、脳を活性化させる刺激方法について検討した。その結果看護師や家族が患者に対してよく行っているStroke(さする)とTouch(触れる)という行為に着目し、発汗及び呼吸(分時換気量・一回換気量・呼吸数)と情動(STAI・VAS)の関係を明らかにすることを目的とした。その結果StrokeとTouch刺激間の呼吸数に有意な差を見出した。さらにStroke刺激は、不安感が強い人ほど呼吸数を有意に増加させる刺激であることを発見した。Stroke刺激時に反応するニューロンはTouchとは別のニューロンである(IwamuraY,1996)ことを明らかにした研究がある。政岡(MasaokaY,2003)らは、呼吸の増加は扁桃体の活性を高めることを明らかにした。このようなことから、Stroke刺激は脳の賦活化に影響を与える刺激である可能性が高い。 現在健常者の呼吸数に変化をもたらしたStrokeとTouch刺激が、意識障害患者にどのような呼吸変化をもたらすかを、1症例ではあるが臨床実験で明らかにした。その結果健常者と同様にstroke刺激時に呼吸数の増加がみられた。この結果からStrok刺激は脳を賦活化させる刺激である可能性が高いと考えている。今後症例数を増やし実験を継続していく。
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