2011 Fiscal Year Annual Research Report
産褥早期における乳房硬結発生への超音波診断の有用性
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21659519
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中尾 優子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40325725)
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Keywords | 乳房硬結 / 超音波診断 / 産褥 / 母乳 / 乳房トラブル |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳房内画像により乳房硬結(うっ積・うっ滞)の発生を明らかにし、超音波が産褥早期(出産後5日間)の乳房診断に有用であるかを検討することである。 今年度の目標は、産褥1-2日目を重点的に画像撮影すること、硬結の画像をより明確にしていくため授乳前後の画像撮影も行うこととした。超音波画像の分析をすすめながら、外側評価との比較をし、総合評価を行っていく。また、硬結発生や特徴的な症例(真性陥没)については、学会等で発表を行っていくこととする。撮影者のスキルや読影については、引き続き勉強会参加や学会、研究会などより、情報を収集し、向上させていくこととした。 結果、産褥早期の乳管拡張や乳汁貯留腫の画像を含めた特徴的な症例についての学会発表を行うことができた。産褥早期は乳管や乳管開口部が十分に拡張していないため、乳汁の排泄障害をおこしていることが画像上確認できた。また、外側評価では縦横の2面の評価は可能であるが、超音波では深さの測定が可能であり、硬結を発生させている内容を把握することが可能であることがわかった。授乳前後の画像でも深さの減少を評価することができた。しかし、血液充満しているうっ積の画像は不明瞭であり、今後も画像撮影を実施していく必要がある。さらに、長期間硬結が持続し、乳腺炎を起している症例においては、チーズ用に変性した乳房内の変化が見られ、授乳前後にほとんど変化が見られないことが画像上、確認された。 今後、産褥早期に起きる乳房硬結を画像上分類し、乳瘤につながる画像所見を明らかにしていく研究につなげていく予定である。
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Research Products
(2 results)