2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21659521
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
山口 桂子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80143254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (70233377)
赤松 園子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (60457934)
岡崎 章 拓殖大学, 工学部, 教授 (40244975)
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Keywords | 看護学 / 感性デザイン / 危険回避 / 教育ツール / 絵本 |
Research Abstract |
入院中の子どもの事故例は多々報告されているが、特に、病棟内での転倒やベッドからの転落は約80%が家族の目前で起こっていることから、事故防止には子どもや家族への系統的な予防行動への働きかけが必須と思われる。しかし、現行のパンフレットや掲示などでは十分な効果が得られていないことから、子ども自身と家族の意識下に残り、興味を持って予防行動へとつなげられるツールを活用した援助が必要であると考えられた。そこで、前年度は、専門家会議において、予防可能な事故場面を「転落」に絞り、子ども自身や家族への意識付けが効果的になる教育的要因の検討、コンテンツの明確化、イラスト化と表示文言の決定を行い、転落回避教育ツール(仕掛け絵本)のプロトタイプを製作した。今年度は、これを全国の小児病院や総合病院の小児病棟315施設に郵送で計1260枚を無料配布し、実際に小児医療に携わるスタッフ(主に看護師や保育士など)に使用してもらうこととその後の質問紙による評価を依頼した。 その結果、使用後の4段階評価のうち、肯定的な回答を得た割合は、分かりやすさ:80.0%、親しみやすさ:86.7%、作りやすさ:60.2%、使いやすさ:70.1%であった.また、ツール使用時の小児や保護者の反応として,「見開きが楽しい」など,[親子とも楽しそうに・興味深く聞く]様子があり,「具体的に危険を認知できる」「絵が多く分かりやすい」という言葉が聞かれ[事故予防への理解が得られた]様子があり、概ね、有効性を検証することができた(日本小児看護学会第21回学術集会へ報告予定)。 この結果をもとに、さらに予防可能な事故場面として「転倒」・「点滴抜去」を取り上げ、同様のプロセスを経てシリーズ化のためのツール製作を進めている。次年度は、これらを完成させ、ホームページ上に公開、医療従事者に限り、登録制によって印刷使用を可能にする予定である。
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Research Products
(1 results)