2009 Fiscal Year Annual Research Report
在宅虚弱高齢者とその家族のもつケア課題の明確化と包括的予防訪問モデルの作成
Project/Area Number |
21659533
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河野 あゆみ Osaka City University, 大学院・看護学研究科, 教授 (00313255)
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Keywords | 高齢者 / 地域 / 意向 / 家族 / 在宅看護 / 予防訪問 |
Research Abstract |
効果的な介護予防には利用者の主体的な取り組みが不可欠であり、介護予防サービス・支援計画も、高齢者と家族の意欲・意向を確認しながら立てることが重要である。一方で介護保険サービス利用していない要支援高齢者は、何らかの生活上の問題を持ち、介護保険認定を申請したにもかかわらず、把握される機会は少なく、対象者の意向も明らかではない。本研究では、予防訪問の場面で把握した訪問対象者109名とその家族の意向を明らかにすることを目的とした。地域包括支援センターや保健センターから保健福祉職が対象者宅に訪問し、系統的にアセスメントを行い、高齢者とその家族の意向を聞き取り、その内容を記録した。それらの記述内容を要約し類似した内容を定質的に分析した結果、高齢者の意向は、高齢者本人が自律的に判断している「自己完結型」、介護保険サービスにまつわる情報やその他の支援を希望している「支援希望型」、自律的な判断と家族からの支援を伴っている「混合型」、外部からの介入を拒否している「シャットアウト型」の4つのタイプに分類された。家族の意向は、現状に不安や不満があり支援を希望している「支援希望型」、現状に満足している「支援・サービス希望なし型」の2つに分類された。また、高齢者と家族のサービス利用に関する意向は、ほとんどが一致していたが、中には意向に相違のみられる場合もあった。以上より、介護保険サービス未利用の要支援高齢者の意向は多様であることが示された。サービス未利用要支援高齢者の中に、実際には高齢者自身あるいは家族が支援を必要としている場合や、対象者本人は認識していないが、専門家による支援・見守りが必要な場合があることが明らかになった。今後、サービス未利用者に対しても、看護職が関わりをもつことや本人・家族の意向を把握すること、保健福祉職が予防的なアプローチを行うことの必要性が示唆された。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
大内尉義、秋山弘子編、河野あゆみ(共著)
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Journal Title
高齢者の「閉じこもり」予防.新老年学(東京大学出版会)
Pages: 1521-1524
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