2010 Fiscal Year Annual Research Report
若年認知症者における就労型デイサービスの効果-参加者間の相互作用とBPSD-
Project/Area Number |
21659539
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
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Keywords | 若年性 / 認知症 / 看護学 / 相互作用 / BPSD |
Research Abstract |
本研究の目的は、就労型・地域型活動に参加する若年認知症者間および若年認知症者-スタッフ間でどのような相互作用がおこなわれているかを明らかにすることである。昨年度から実施している参加観察において特徴的な相互作用場面をとりあげ、第11回日本認知症ケア学会で発表した。 発表した研究の目的は、「仕事」を通じて社会参加する活動に参加意思を示した若年認知症者が、「活動の場」でどのような相互作用を行っているかを明らかにすることであった。方法は、質的記述的研究。研究参加者は50代~60代の若年認知症者5名とスタッフ5名。若年認知症者は全員男性で、アルツハイマー型認知症と前頭側頭型認知症であった。スタッフは全員女性であった。データ収集は、2010年2月~5月までの5日間。データ分析は、フィールドノーツをもとに相互作用に関する内容を分析した。倫理的配慮を行い、実施した。その結果、5日間の参加観察で、相互作用場面から見出されたカテゴリは、【工程の明示化により新たなスキルの獲得】【ユーモアによる場の和み】【わかることを他者に伝える】【活動成果存在の切望】【活動の場における介護の拒否】であった。相互作用を大別すると、「活動の場」を安定化する相互作用と不安定化する相互作用がみられた。相互作用の安定化に影響する行為はユーモアの提供、理解を助ける声かけ、活動成果の提示が考えられる。不安定化に影響する行為は必要以上の介入が考えられる。「活動の場」の不安定化を防ぐには、若年認知症者の活動の場であるという状況定義を、関係者が一致できるよう支援することが重要である。 フィールドでの参加観察を23年度も継続する。個別インタビューの分析結果を23年度に発表する予定がある。
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Research Products
(1 results)