2011 Fiscal Year Annual Research Report
人間を超える次世代高速・高機能ロボットハンドシステムの研究
Project/Area Number |
21670001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
並木 明夫 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40376611)
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Keywords | 知能ロボティックス / ロボットハンド / 感覚運動統合 / ダイナミックスキル / 視触覚フィードバック |
Research Abstract |
平成23年度は,前年度に引き続き、様々なタスクを例としたダイナミックスキルの解析を行うとともに,アクチュエータや機構などのメカニズムの開発を行った.具体的には次の通りである. 1.超多自由度ロボットハンドの設計開発:各指7自由度を持つ,2指ロボットハンドを開発した.このハンドでは任意の位置姿勢で2指の対向と任意の擦り合わせ動作を実現でき,微細で器用な指先作業が可能となる. 2.指先回転機構を有するフィンガーを用いた操りの研究:本年度は、指先回転と指の位置制御を合わせることで、折り紙の技能を実現した。 3.対象の運動情報に基づく多指ハンドのマスタ教示システムの研究:前年度までの軌道生成アルゴリズムを修正し、より安定な軌道生成を可能とした。 4.柔軟対象の操りにおけるダイナミックスキル:空中で布を折るためのアルゴリズムについて検証を行った。 5.ジャグリングのダイナミックスキル:前年度までのアルゴリズムを改良し、2つのボールを片手でジャグリングすることに成功した。 6.エアホッケーゲームの研究:動的マニピュレーションの例として,人間を対戦相手とするエアホッケーロボットシステムを構築した。パックだけでなく,対戦相手の運動も視覚センサで計測することで、対戦相手の意図を推定し,ロボットの動作生成に用いることを可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標はほぼ達成されており,また,当初にはなかった新しいアイデアのもとの技術開発も行うことができている.また、平成24年度以降は得られた成果を統合するフェーズになる。このように、当初の目標に向けて順調に研究が進展しており、予定どおりの成果が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.超多自由度ロボットハンドを用いた動的操り能力の研究:超多自由度ハンドは自由度が多いために,操りタスクによって必要とされる軸が異なってくる.この解析を元に,タスクごとの必要軸と不必要軸を解析し,タスクに応じた准汎用ハンド開発の設計手法を構築する. 2.対象の運動情報に基づく多指ハンドの教示アルゴリズムの研究:本年度は,前年度のアルゴリズムを改良し,一般的なハンドや対象へ適用できるように改良する. 3.ジャグリングのダイナミックスキル:前年度に引き続き,ハンドアームを2台にした時の高度なジャグリング動作の実現について研究を行う. 4.4.タスクに応じたハンドの設計手法の構築:これまでに得られた柔軟物操り,動的操り,多指ハンド教示の知見をもとに,タスクに応じて自動で軸配置,スケール,制御アルゴリズムの選択が可能となるような包括的なハンド設計手法についての研究を行う.
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