2012 Fiscal Year Annual Research Report
人間を超える次世代高速・高機能ロボットハンドシステムの研究
Project/Area Number |
21670001
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
並木 明夫 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40376611)
|
Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
|
Keywords | 知能ロボティックス / ロボットハンド / 感覚運動統合 / ダイナミックスキル / 視触覚フィードバック |
Research Abstract |
平成24年度は,前年度に引き続き、様々なタスクを例としたダイナミックスキルの解析を行うとともに,アクチュエータや機構などのメカニズム,センシングなどの処理システム,制御システムの開発を行った.具体的には次の通りである.1.超多自由度ロボットハンドの制御実験:前年度までに開発した各指7自由度を持つ2指ロボットハンドの運動制御システムを構築した.このハンドでは任意の位置姿勢で2指の対向と任意の擦り合わせ動作を実現でき,微細で器用な指先作業が可能となる.本年度は特に紙操りタスクを対象として操りの運動計画の研究を行った.2.対象の運動情報に基づく多指ハンドのマスタ教示システムの研究: 前年度までの軌道生成アルゴリズムを改良し,接触点における転がりの評価を加えることで,安定な軌道生成が実現でるようになった.棒状対象について様々な目標運動を与えることで,その運動を再現するハンド軌道が生成される.実機において検証し,その有効性を示した.3.柔軟対象の操りにおけるダイナミックスキル:高速性を利用して空中で紐結びを行うための軌道生成アルゴリズムについて理論的な解析を行った.4.ジャグリングのダイナミックスキル:前年度までに開発した2つのボールを片手でジャグリングするタスクについて,従来の視覚フィードバックに加えて,触覚フィードバックも加えることで,安定性を増すことに成功した.5.エアホッケーゲームの研究:動的マニピュレーションの例として,人間を対戦相手とするエアホッケーロボットシステムの研究を継続して行った.本年度は,モデル予測制御を高速センサフィードバックに導入することで,動作の高速性を高めることに成功した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに,当初の目標である(1)小型アクチュエータモジュールの開発,(2)各種準汎用ハンドの開発:超多自由度ハンド,指先回転ロボットハンドの開発,(3)対象情報を用いたロボットハンド教示,(4)各種ダイナミックスキルの解析と実現:紐操り,動的布操り,高速ジャグリング,エアホッケーなど,(5)視覚と触覚フィードバックを用いたマニピュレーションシステム,等の当初目標はほぼ達成されている.平成25年度はこれまでに得られた成果を統合するフェーズになる。このように、当初の目標に向けて順調に研究が進展しており,予定どおりの成果が見込まれる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1. 超多自由度ロボットハンドを用いた動的操り能力の研究: 超多自由度ハンドは自由度が多いために,操りタスクによって必要とされる軸が異なってくる.前年度に引き続き,タスクごとの必要軸と不必要軸を解析し,タスクに応じた准汎用ハンド開発の設計手法を構築する. 2. 対象の運動情報に基づく多指ハンドの教示アルゴリズムの研究:前年度に引き続き,アルゴリズムを改良し,一般的なハンドや対象へ適用できるように改良する. 3. ジャグリングのダイナミックスキル:前年度に引き続き,ハンドアームを2台にした時の高度なジャグリング動作の実現について研究を行う. 4. タスクに応じたハンドの設計手法の構築:前年度に引き続き,これまでに得られた柔軟物操り,動的操り,多指ハンド教示の知見をもとに,タスクに応じて自動で軸配置,スケール,制御アルゴリズムの選択が可能となるような包括的なハンド設計手法についての研究を行う.
|