2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイドな遺伝子ネットワーク解析による脊索動物の発生と進化のシステム的理解
Project/Area Number |
21671004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 ゆたか Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (40314174)
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Keywords | ホヤ / 遺伝子調節ネットワーク / ゲノム |
Research Abstract |
本研究はホヤ胚を用いて発生を支配する遺伝子ネットワークを理解しようというものである。本年度は、母性因子によってどのように胚性の調節因子の発現が制御され16細胞期で特定のパターンを作り出すのかを調べた。母性に発現する転写因子を網羅的に解析する予定であったが、実験を進めると16細胞期の発現に影響を与える因子が予想外に多いことが分かり、未知の原因による実験上のアーティファクトである可能性も考えられた。そのためアプローチを変え、16細胞期胚で活性化される調節因子についてすべてプロモータ解析を行いつつある。また、胚性の遺伝子ネットワークについては、すでに得られていた結果に実験を追加し、11個の転写因子についてクロマチン免疫沈降実験の結果を基に初期胚のコアとなるネットワークを明らかにした。タンパクレベルでの挙動を調べるため、ホヤの転写調節因子約600個をGatewayベクターにクローニングし、準備を整えた。 また、初期胚において細胞単位での遺伝子発現パターンを知るために、単離割球を用いたマイクロアレイ解析を行っている。本年度は8細胞期および16細胞期の一部まで解析を終えた。得られたデータをもとに数値化を行い、一部についてin situ hybridizationやRT-qPCRによってフォローアップの実験を行った。 以上の解析によって、ホヤ初期胚における遺伝子ネットワークを包括的に理解するための基礎的な足がかりを作ることに成功した。
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Research Products
(6 results)