2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21675003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金原 数 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (30282578)
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Keywords | 分子機械 / 触媒 / 生体分子機械 / シャペロニン / 分子糊 |
Research Abstract |
(1)光応答性部位としてアゾベンゼンを有するジイミン型配位子の合成に成功し、これを用いたパラジウム錯体を調製した。得られた錯体はジアリルマロネートの閉館重合活性を有し、シクロペンタン骨格を有するポリマーを与えることを見いだした。さらに、得られたポリマーはこれまでにないスレオジシンジオタティック型の立体規則性を有していることが分かった。 (2)生体分子機械として知られているシャペロニンの空孔入り口付近にサブユニットあたり2つのシステインを導入した変異体を得た。さらに、これらのシステインにスピロピランを導入し、修飾シャペロニンを得た。このスピロピラン修飾シャペロニンは光応答性を示したが、興味深いことに、マグネシウムイオンなど2価金属イオンを添加すると、シャペロニンが直列につながった、チューブ状の集積体を与えることが分かった。さらに、このチューブ集積体の中には、ゲストとして変性タンパク質を取りこませることができることを見いだした。 (3)表面部に、複数のグアニジニウム基を有する、「分子糊」を調製した。この分子糊は、タンパク質などと相互作用し、非共有結合的にこれらを化学修飾できることを見いだした。興味深いことに、アクトミオシンにこの分子乗りを添加すると、ATP依存的に動作するその動きを止めることができることを見いだした。さらに、洗浄操作を加えることがその動きが再生し、可逆的にその動きを制御できる分子ツールとして働くことを見いだした。
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Research Products
(12 results)