2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21675003
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金原 数 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30282578)
|
Keywords | 分子機械 / 触媒 / 生体分子機械 / シャペロニン / 分子糊 |
Research Abstract |
(1)分子機械型配位子の合成 遷移金属イオンと配位結合し、かつ物理的刺激によってその構造変化を誘起することにより、相互作用した触媒活性部位の立体構造を可逆的に変化させることのできる配位子の開発を試みた。その結果、配位子として知られているジイミン型配位子にジチエニルエテン部位を導入した配位子型分子機械を設計し、その合成法を確立した。 (2)分子機械のScaffoldとなる新たな巨大分子基盤の構築 酵素等の生体高分子に超分子化学的に作用する新しい分子群の創製を目的とし、まず数ナノメートルスケールの生体分子に相互作用し、刺激に応答して歪みを起こさせるような巨大分子の開発を目指し検討を行った。そのような分子骨格の基本構造として、大きさの決まった2次元的な広がりをもつ「布状分子」の開発を検討した。具体的な構造としては、オリゴエチレングリコールを骨格として有する2次元分子の合成に成功した。 (3)膜貫通タンパク質模倣分子の合成 生体で分子機械として重要な役割を担っている、膜タンパク質に着目し、その主要な構造モチーフである多回膜貫通型タンパク質を模倣した分子の構築を試みた。分子構造として、親水部にオリゴエレングリコール部位を、疎水部にジエチニルベンゼン部位を有する、交互両親媒性分子を合成した。4回繰り返し構造を有する分子について二分子膜中での構造を検証したところ、膜貫通タンパク質と類似の折りたたみ構造をとることが分かった。
|
Research Products
(34 results)