2010 Fiscal Year Annual Research Report
き裂成長履歴推定に基づく大型溶接構造物の疲労寿命推定の高精度化
Project/Area Number |
21676007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 浩二 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60274487)
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Keywords | 疲労き裂 / 表面き裂 / 埋没き裂 / 二軸疲労き裂伝播試験 / 疲労 / き裂結合力モデル |
Research Abstract |
研究初年度の成果及び及びヒアリング審査時にご指摘いただいた点に留意し,以下の項目について研究を実施した. 1)表面または埋没き裂の成長予測アルゴリズムの構築: 評価対象(平板中に存在する表面き裂)に対する応力拡大係数重み関数である白鳥らの影響関数法を適用した成長予測アルゴリズムを採用することが適切であると確認した.次年度以降に,下記項目2)に対応する疲労試験結果との比較検討を実施する.また,大型溶接構造物の疲労寿命評価に際して実用上重要である,複数点から発生する疲労表面き裂の取り扱い法を検討し,仮想単独表面き裂のアスペクト比変化推定式の拡張を行った. 2)表面き裂疲労試験片の設計と試験準備: 板厚方向への表面き裂進展挙動を定量的に把握する実験の実施に向け,類似の欠陥形状を有する埋没型の初期欠陥を有する試験片を用いて試験システム調整を行うと共に,疲労き裂進展試験を実施した. 3)二軸引張条件下での疲労き裂成長推定アルゴリズムの構築と疲労試験: 研究申請時の文献調査の結果,本研究の対象と異なる材料を用いた二軸疲労試験のき裂成長曲線が確認されているので,これを元に,き裂成長推定アルゴリズムを検討すると共に,1つの荷重条件に対する疲労試験を実施した.実験結果と解析結果の比較から,当初検討したアルゴリズムでは不十分であることを確認した 4)疲労き裂伝播挙動に関する材料定数取得試験システムの構築 昨年度構築した試験システムの改良を行ったが,測定精度の大幅な改善には繋がらなかった.この原因を調査した結果,ロードセルから測定される荷重に含まれるノイズの改善が不十分であることが判明したため,次年度以降に更なる改善に取り組む 5)材料の加工効果特性を考慮した疲労き裂成長推定アルゴリズムの構築 本研究の根幹をなす,疲労き裂開閉口挙動評価に基づくき裂成長推定アルゴリズムに,従来定量的な考慮がなされていない,材料の加工効果特性を考慮するためのアルゴリズムを構築し,単調載荷条件での妥当性を確認した
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Research Products
(3 results)