2011 Fiscal Year Annual Research Report
静的・動的型付けの融合による安全かつ柔軟なプログラミング言語の理論と設計
Project/Area Number |
21680002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五十嵐 淳 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40323456)
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Keywords | オブジェクト指向言語 / 漸進的型付け / プログラミング言語 / Java言語 / ジェネリクス / 型安全性 / コントラクト |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通りである. (1)Javaジェネリクスの核部分に対する漸進的型付けのモデルの拡張については,インターフェースは問題なく取り入れられることがわかった.また,ワイルドカードとの融合については言語の複雑性が格段に上がるため,そもそも取り入れるべきではないという結論に達した. (2)動的検査に伴う部分型検査については昨年度構築したアルゴリズムに誤りがあることがわかったため,その修復を行い,新しいアルゴリズムについて,元の型付け規則と等価であることを再証明した.この結果については,現在論文を準備中である.また,このため,停止性についての検討が遅れており,次年度への課題として持ち越された. (3)言語の実装方式について,動的検査の実装のためにJava仮想機械に新しく搭載されたInvokeDynamic命令を活用できるかどうかを検討したが,一旦,InvokeDynamic命令を使わずに実装を行うこととし,その後にInvokeDynamic命令により最適化が行えるか改めて検討することとした.現在,InvokeDynamic命令を使わない実装を行っている途中である. (4)多相的契約言語を不動点演算子で拡張した体系についての性質を調べた.新しい条件のもとで,全ての期待する性質が拡張後も成立することを証明することができたが,この新しい条件は実際に記述するプログラムの種類を著しく制限する可能性が高いことも同時に判明した.この制限を緩めることは次年度の課題として持ち越された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに得られた成果での誤りの発見などがあったが、誤りを修正することができた。 誤った成果にもとづき先を進める前に発見できたのは幸いであった。 交付申請書に記載した事項を全て達成できているわけではないが、全ての事項については少なくとも検討に取りかかり、達成できていない点についても課題をより具体的に把握することはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に進展しており、これまで通り、今年度も研究協力者となる大学院生の協力をあおぎながら進めていく。研究計画については特に変更する点はない。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Gradual Typing for Generics2011
Author(s)
Lintaro Ina, Atsushi Igarashi
Organizer
ACM Conference on Object-Oriented Programming, Systems, Languages, and Applications (OOPSLA2011)
Place of Presentation
アメリカ・ポートランド
Year and Date
2011-10-26
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