2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体集積回路の物理パラメータに基づいたロバスト回路設計手法論の創出と実践的応用
Project/Area Number |
21680004
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
廣瀬 哲也 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70396315)
|
Keywords | LSI / しきい値電圧 / プロセスバラツキ / 温度バラツキ / PVTバラツキ / オンチップモニタ / 補正回路技術 / アナログ回路 |
Research Abstract |
本研究の目的は,シリコン半導体集積回路(LSI)設計において,重大かつ深刻な問題となっている製造プロセスバラツキや温度変化によるLSIの特性変動を,自律的に動作補正が可能な集積回路技術を創出することにある.これを解決するために,アナログ回路技術を用いた動作補正技術の検討を行った.補正回路に用いるアナログ要素回路として,特に基準電流源回路と基準電圧源回路の開拓を行った.基準電流源回路では,数十ナノアンペアオーダーの微小電流を,安定に生成することが可能な回路技術を開拓した.MOSFETのしきい値電圧のバラツキの影響を回避するために,電流生成を担うMOSFETを3組のペアトランジスタで構成するアーキテクチャを開拓した.ペアトランジスタ間でしきい値電圧がキャンセルされるため,安定な微小電流生成を実現できる.また,提案電流源回路は,温度と共に電流量が増大するために,温度補正アーキテクチャについても検討を行った.特に,MOSFETの電流キャリアには電子とホールの2つのキャリアがある.この2つのキャリアに依存する電流を用いることで温度特性を補正する.チップ試作測定により,提案回路の有効性を確認した.さらに,基準電圧源回路では,電流源回路からの電流をバイポーラトランジスタへバイアスすることでシリコンのバンドギャップ電圧1.2Vを出力するアーキテクチャを考案した.従来技術では抵抗を利用するアーキテクチャが一般的であるが,提案回路では抵抗を利用しない,これにより,安定性の改善と実装面積の削減を実現した.これらの電流源回路と電圧源回路は,0.1μW以下の超低電力で動作することを測定により確認した.
|
Research Products
(28 results)