2011 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ・スーパーコンピューティングを可能にするメニーコア・プロセッサの研究
Project/Area Number |
21680005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 弘士 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80341410)
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Keywords | 3次元LSI / メニーコア / ハイパフォーマンスコンピューティング / 高性能計算 / 低消費電力 / 動的最適化 |
Research Abstract |
本年度は、複数コアを搭載したマイクロプロセッサを対象とし、前年度に引き続き3次元積層を前提としたコア・オブザベーション技術の確立、ならびに、3次元積層マルチコアに関する特性解析等を実施した。また、3次元積層向けメモリアーキテクチャの拡張と詳細評価を実施した。さらに、メニーコア向け電源電圧制御技術の開発や、多数の計算ノードから構成されるスーパーコンピュータを前提とした集団通信高効率化技術の開発を行った。具体的な内容は以下の通りである。 【研究テーマ1:コア・オブザベーション技術の開発】3次元積層メモリシステムにおいて、プログラム実行において必要となるメモリ容量をランタイムに検出する方式を改良し、その精度を高めることができた。また、それを効率良く実行するためのアーキテクチャサポートの評価を行い、有効性を明らかにした。 【研究テーマ2:コア・オーケストレーション技術の開発】これまでに開発した、複数コア間でメモリ性能を向上するための協調実行方式に関し、より高い性能向上を実現するためのソフトウェア・チューニングを行った。また、よりメモリ性能の影響が深刻となるベンチマークプログラムを用いた評価を実施し、提案方式の有効性を確認した。これに加え、スーパーコンピュータにおいて重要となる集団通信の高速化を可能とするためのパケット送信制御技術を開発しその有効性を示した。さらに、実行に使用するコアの数と動作周波数を動的に制御することで実効効率を高める方式を検討し、その評価を行った。 また、上記の研究成果に関して国内外にて研究発表を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数コアが協調して動作する方式に関しては順調に開発が進んでおり、その評価結果も良好である。一方、テストチップ試作を実施することができておらず、この部分に関してはやや遅れている。これらを総合して、おおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は本研究の最終年度であり、最終的な総合評価の実施に向け研究を進める予定である。当初、2次元実装のテストチップ試作を行い、その結果を総合評価にフィードバックする予定であった。しかしながら、3次元積層チップの特性は製造プロセスに大きく依存し、かつ、現状では標準的なプロセス技術が確立されていないことが分かったため、評価のための基礎データは実設計事例となる参考文献から参照することで対応する。
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[Journal Article] NSIM : An Interconnection Network Simulator for Extreme-Scale Parallel Computers2011
Author(s)
Hideki MIWA, Ryutaro SUSUKITA, Hidetomo SHIBAMURA, Tomoya HIRAO, Jun MAKI, Makoto YOSHIDA, Takayuki KANDO, Yuichiro AJIMA, Ikuo MIYOSHI, Toshiyuki SHIMIZU, Yuji OINAGA, Hisashige ANDO, Yuichi INADOMI, Koji INOUE, Mutsumi AOYAGI, Kazuaki MURAKAMI
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Journal Title
IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems
Volume: Vol.E94-D No.12
Pages: 2298-2308
Peer Reviewed
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