2009 Fiscal Year Annual Research Report
高精密農業を可能とするマルチベンダセンサグリッドの実証的研究
Project/Area Number |
21680007
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
峰野 博史 Shizuoka University, 情報学部, 助教 (40359740)
|
Keywords | センサネットワーク / オーバレイネットワーク / マルチベンダデバイス / 分散データストリーム / 精密農業 |
Research Abstract |
ICTを活用した高精密農業に必要なデータ収集インフラを配備する上で大きな課題となっている多様なセンサ類の相互接続と高解像度センシング,異種センサデータ間の複雑な因果関係をリアルタイムに解析するデータストリーム処理を可能とするマルチベンダセンサグリッドの開発を目指した.初年度は,マルチベンダセンサグリッドを実現するシステム体系において,i)多数のノード設置や高頻度なデータ収集の実現と必要な解像度の分析に関して検討を進めた.環境や植物の生育状態をデータとして高スケーラビリティで効率的に収集するために,ネットワークを形成可能な多種多様なセンサノードをPaaS(Platform as a Service)のように必要な時に必要なだけ柔軟に利用できるようにするアーキテクチャの検討を進めた.また,ZigBeeセンサネットワーク並びにWiFiネットワークカメラを用いて,実際の施設園芸環境にて高解像度センシングの実証実験を数回実施した.その結果,高温多湿の施設園芸環境において,2.4GHz帯無線通信の不安定さ並びに,環境計測の難しさが判明し,想像以上に無線センサネットワーク応用研究は課題が多いことを実感した.この過酷な施設園芸環境でのリモートセンシングに関する実験結果は,査読付国際会議へ採択された.高精密農業における「きめ細かい」観察,作業や観察データの記録・解析,データに基づく制御といった要素に関して,まだ多数のノード設置や高頻度なデータ収集,異種ノード間の相互連携といった十分な機能を備えているとは言えず,生育過程に影響を与えると考えられる多種多様なデータの必要な解像度の解明や,それら因果関係を精密に分析し制御へ反映できる拡張性の高いインフラの構築に関し,今後とも継続して研究開発を進めていく.
|