2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21680011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 智洋 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80418657)
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Keywords | 嗅覚提示 / 味覚提示 / 感覚相互作用 / 五感情報提示 / 五感ディスプレイ / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
当該年度では,嗅覚・味覚を提示・評価するシステムを構築し,人間がどのように感じるかに応じて嗅覚・味情報の類似度マップの作成を行った.また,作成した嗅覚提示装置を利用し,視覚と嗅覚,視覚と味覚を同時に提示することで類似度マップに基づく視覚による感覚相互作用の影響の試験的な評価を行った. まず,嗅覚情報の提示には,ウェアラブル嗅覚ディスプレイで検討した方式のうち,気化に近い微少液滴を噴霧することで嗅覚受容体に直接刺激を与える手法を使用し,被験者に対して複数種類の匂いの提示と各々の匂い強度の調整を可能にした.また,味覚情報の提示については,クエン酸やリンゴ酸など化学調味料の液滴を正確に供給・混合して被験者に提示を行った.同時にHMDと三次元位置センサを使用することで,嗅覚刺激の強度変化を制御し,実空間と同様の嗅覚・味覚体験と視覚体験の統合を実現した. さらに,構築した嗅覚・味覚提示装置を用いて,様々な味や匂いがお互いにどのような距離にあるか類似度マップを作成した.本研究で提案する類似度マップに似た概念として,匂いに関連する言葉を主観的な距離に基づいて2次元散布図上にマッピングした研究がある.本研究では,実際に複数の被験者に対し具体的な種類の匂いや味を様々な強度で提示し,順序づけをしてもらうことで,主観評価による類似度マップを作成した.さらに,作成した類似度マップについて多変量解析を行い,相対距離に応じた要素となる匂いを決定して提示することで,少数の匂いで多数の匂いの体験が可能であることを確認した.
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Research Products
(6 results)