2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21680011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 智洋 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80418657)
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Keywords | バーチャルリアリティ / マルチモーダルインタフェース / ディスプレイ / ユーザインタフェース |
Research Abstract |
本年度は,視覚及び嗅覚や味覚を同時に提示するシステムを開発し,嗅覚・味覚・視覚間の感覚相互作用を評価するための視嗅覚ディスプレイ及び疑似味覚ディスプレイシステムを構築した.視嗅覚ディスプレイシステムでは,匂いの類似性の評価をおこなうことで嗅覚情報マップを作成し,それに基づいた視覚と嗅覚の相互作用に基づく視嗅覚ディスプレイの手法の実証実験を行った.その結果,匂いの類似性による嗅覚の引き込み効果を利用する手法が効果的であること示した.また,食品に視覚情報や嗅覚情報を付加することで,視覚・嗅覚・味覚の間での感覚間相互作用を利用して「風味」をさまざまに変化させることが出来る擬似味覚提示システムの実証実験を行った.ユーザの視点位置や味覚提示に利用する実物の位置をリアルタイムに取得し,その相対位置に応じてリアリティの高い視覚情報や嗅覚情報を重畳提示することで,臨場感の高い疑似味覚提示が可能になった.一般への公開実験によって,約八割の被験者に味を変化させて感じさせ,約七割の被験者にシステムが狙ったとおりの味を認識させることができるという有効性を示した.さらに,開発したシステムを利用して,掲示される各感覚情報が互いに与える影響や,情報提示量のバランスに関する実験および評価を行った.実験により視覚情報付加/嗅覚情報付加/視覚情報と嗅覚情報を付加という3条件を比較することで,視覚・嗅覚が味の知覚と認知に与える影響の評価をおこなった.その結果,視覚情報の提示と嗅覚情報の提示では,嗅覚情報の方が味の識別にも識別した味の知覚にも影響を与えていることを示し,視覚情報と嗅覚情報が一致したときのみ識別した味の知覚に影響を与えていることを示すことができた.
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Research Products
(10 results)