2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21680011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 智洋 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80418657)
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Keywords | バーチャルリアリティ / マルチモーダル / ディスプレイ / ユーザインタフェース |
Research Abstract |
前年度構築した嗅覚・味覚・視覚間の感覚間相互作用による嗅覚・味覚提示システムを改良し,感覚間相互作用の評価と最適化を行った.ユーザの視点位置や味覚提示に利用する実物の位置をリアルタイムに取得し,その相対位置に応じてリアリティの高い視覚情報や嗅覚情報を重畳提示することで,臨場感の高い疑似味覚提示が可能になった.食品に視覚情報や嗅覚情報を付加することで,視覚・嗅覚・味覚の間での感覚間相互作用を利用して「風味」をさまざまに変化させることが出来る擬似味覚提示システムの評価実験を行った.従来のモニタによる視覚情報の表示だけでなく,広視野角の高精細HMDや提示したい対象に合わせたデバイスによる高没入感表示を行い,より現実での体験に近い視野角や没入度による引き込み効果の評価が可能になった. このシステムを用いて,提示される各感覚情報が互いに与える影響や,情報提示量のバランスに関する実験および評価を行った.具体的には,視覚による匂いの引き込み効果を利用することによって、少数の種類の匂いを用いてできるだけ多くの種類の味の果汁ジュースを再現することが可能であるか検証した.様々な種類の異なる視覚・嗅覚・味覚刺激の組み合わせを提示したとき,被験者の弁別評価を比較することにより,視覚、嗅覚と味覚の間の感覚間相互作用の影響力の強さを評価することが可能になった.この相互作用の強さの関係に基づいて,物理的に提示可能な種類に限界がある嗅覚・味覚ディスプレイにおいても,視覚によりどの程度多様な感覚提示が可能であるかを明らかにすることができた.
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Research Products
(6 results)