2010 Fiscal Year Annual Research Report
力触知覚の特性に基づいた階層的なシミュレーションによる質感と接触状態の提示
Project/Area Number |
21680012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 晶一 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (10323833)
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Keywords | 力覚インタフェース / マルチスケールシミュレーション / マルチレートシミュレーション / 物理シミュレーション / 触覚 / 材質感提示 / イベントベースハプティック |
Research Abstract |
本研究の目的は、知覚特性に基づいた階層的な物理シミュレーションに基づく力と振動の提示により、質感や接触状態を提示可能な力触覚バーチャルリアリティ(VR)環境を構築することである。 階層的な物理シミュレーションと提示力計算については、昨年度動力学シミュレーションの一部を提示力計算と共に高速更新で行うことで、更新速度の遅い物理シミュレータを用いる場合でも正確な動力学特性提示を実現した。今年度は、これを6自由度力覚レンダリングに拡張した。6自由度では、提示力計算に必要な情報と力覚計算手法の再検討が必要であった。そこで、力覚ポインタと物体の接触部分の形状を求め、この形状の各頂点とその位置での侵入量を元に線形計画法により力覚計算を行う手法を提案した。提案手法は任意の形状の物体をポインタとして6自由度操作し、動力学シミュレーションされた複数剛体とインタラクションすることを実現するものであり、ある程度複雑な組み立て作業や機器の操作といった実用的な作業が可能な力覚VR環境を実現するために必要な技術であり、様々な応用が期待される。 振動特徴量計測と振動提示の研究については、引き続き空気圧による皮膚の駆動・計測実験装置の作成と硬さ知覚に関する研究を進めている。また階層的な力覚提示手法に振動負荷による材質感提示を組み込み、机、積み木、電気スタンドなど材質が異なる物体を提示するデモや、他に研究を行なっているバーチャルなキャラクタとのインタラクションへ、階層的な力覚提示と振動負荷による材質感提示を組み込んだデモを作成することで、ソフトウェアライブラリとしての改良を行い、提案手法を展開する準備をしている。
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