2011 Fiscal Year Annual Research Report
低混雑社会実現のためのサービスインフラ利用モデルと行動調整システム
Project/Area Number |
21680014
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川村 秀憲 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (60322830)
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Keywords | エージェント / 最適化 / ゲーム理論 / デマンドバス |
Research Abstract |
現在までに多数の合理的エージェントが自己の利得を最大化するという観点で社会的なインフラの利用について調整するというモデルの理論的検証を行ってきた.そこでは,単に一度きりのゲームとしてそれぞれのエージェントが分散大規模な最適化問題に参加するという環境ではなく,エージェントの流入出,制約条件の変化,他のエージェントの戦略に呼応した自身の戦略の変更などをリアルタイムで調整する必要のあるオープンな環境での自己の最適化の集合としての社会的インフラの調整という状況について扱ってきたことになる.このような状況下において,エージェントが参加するゲームの全貌がそもそも見えない中でのゲームの構造に関する検証,それぞれのエージェントの最適か能力と社会全体の調整能力に関する検証,などについて一定の知見を得てきた. さらに本年度では,ベンチマークとして設定した複数のエージェントからなるTSPによる検証を経て,より社会応用可能な具体的問題としてデマンドバスにおける最適化問題への理論適用性の検討を開始した.デマンドバスは,路線バスとタクシーの中間的存在で,1台のバスで多数の乗客の自由な乗降車をサポートする形態の交通システムである.バスとして走行する経路選択の際に,多数の乗客の要求や制約条件を満たしつつも社会的に最適な経路をリアルタイムに実現する必要があり,これまでに研究してきた理論を活用できると考えている. 研究最終年度へ向けて,サービスインフラ利用モデルの理論的検証から実問題としてもデマンドバス問題について継続的に取り組んで行く.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的として設定したサービスインフラ利用モデルの理論的研究についてはおおむね順調に進展している.ただ,大きな観点で簡素なモデル化と汎用性の高い検証となっているかについてはまだ研究の余地が残っている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度へ向けて,理論のより汎用的な体系化だけではなく,実問題へつながる検証を行う.特に,デマンドバスを一つの応用として捉え,研究成果の適用を目指す.シミュレーションを通して,その有効性を検討することで,理論から応用へつながる成果としてまとめてあげていく.
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Research Products
(4 results)