2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21680017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
向川 康博 Osaka University, 産業科学研究所, 准教授 (60294435)
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Keywords | 画像.文章,音声等認識 / 計測工学 / 反射解析 / 表面下散乱 |
Research Abstract |
初年度である平成21年度は,まず半透明物体中で表面下散乱がどのように伝播し,どのような光線空間を作り出すかを正確に計測するために,プロジェクタとカメラを用いた計測装置を試作し,さらに散乱を反射回数ごとに分解する解析法を開発した. 1. 表面下散乱成分の分離法の確立 対象シーンを,材質が一様な薄い平面状の物体に限定することで,プロジェクタを用いて表面下散乱成分を反射成分ごとに分離するための計測法を開発した史プロジェクタから白と黒が交互に現れる高周波ストライプパターンを,その順に位相をずらしながら投影し,散乱媒体中でのその投影光の明るさを解析することで,単一散乱と多重散乱を安定に分離する手法を明らかにした. 2. 表面下散乱のパラメータ推定 ライトトランスポート方程式に基づいて表面下散乱のパラメータを推定するために,散乱回数ごとの光線空間をあらかじめ算出しておき,その線形結合によって多重散乱を表現する新しい解析手法を考案した.これにより,表面下散乱をモデル化するための吸収係数と散乱係数を,高速に効率よく推定する方法を明らかにした. 3. 表面下散乱の可視化 散乱媒体中で表面下散乱が作り出す光線空間は複雑なものとなるが,上記で述べたプロジェクタを用いた計測装置と,表面下散乱を反射回数ごと分離する解析法によって,入射光がどのように散乱を繰り返し,どのように空間中で伝播していくかを可視化する手法を明らかにした.
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Research Products
(2 results)