Research Abstract |
本研究においては,全身を柔軟な触覚センサ外装を備えたヒューマノイドにおいて,多様な接触情報を検知可能なハードウェアと,全身からの大量のセンサ情報を元に行動学習を行うソフトウェアの構成法を明らかにする.平成22年度おいては,主に,1)3次元肉質変形センサ外装の小型ヒューマノイドへの搭載,及び2)状態変化速度に基づく時空間方向の注意領域反応制御手法の開発を行った.交付申請書には,上記項目に加えて,注意領域反応制御の元での自律発達システムの構築,を計画していたが,1)で全身に装着するための3次元変形センサに関して全身に配置して注意制御や学習行動へと展開するためには,センサの小型化,高サンプリング化の必要があったため,3次元センサの改良設計・評価に計画よりも時間をかけることにし,この項目に関しては平成23年度に継続して行うことにした. 具体的な成果としては,まず,1)3次元肉質変形センサ外装を備えた小型ヒューマノイドで多様な行動実験を行っていくために,関節周辺は運動を阻害しないよう柔らかく,それ以外の部位は負荷応力緩和のため関節部より固めに成形させる局所柔軟性分布を備えた新たな全身肉質外装を開発し,小型ヒューマノイドに装着させて,その評価を行った.また,完全無線での行動実験のため,センサシステム用に利用可能な小型軽量キャパシタ電池駆動システムを開発し,小型4脚ロボットおよび小型ヒューマノイドにおいて評価を行った.更に,3次元肉質変形センサ自体の改良設計を行い,小型化,高サンプリング化を実現した.また,2)に関しては,センサAD値の変化速度に応じて時間応答が変化するセンサファームウェアに対して,各デバイスの応答時間から上位層での情報粗密化を行うプロトタイプシステム設計を行った.評価に関しては,まだ十分ではないが,23年度において,自律発達学習実験を行う中で並行して評価,改良を行っていく.
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