2011 Fiscal Year Annual Research Report
In-silico創薬のための機械学習を用いた生理活性配座予測
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21680025
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
津田 宏治 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 主任研究員 (90357517)
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Keywords | 機械学習 / 生理活性 / 生体分子 |
Research Abstract |
平成23年度には、前年度投稿したProteinsの論文が出版され、高速な全ペア探索の有効性を証明することができた。今年度の新たな試みとしては、SketchSort法で発見した8000万個の類似度ペアに関して、広く一般の研究者に提供するため、Possumというウエブサイトを立ち上げた。その成果は、Nucleic Acids ResearchのDatabase Issueに出版された。我々のインターフェースを通じて、ユーザは既知のリガンド結合部位またはタンパク構造をクエリとしてサブミットし、PDB中でそのクエリに対して類似性を示す結合部位を数秒でリストアップすることができる。ここで、PDBに登録されていない新規のタンパク質を検索対象としてアップロードすることもできる。構造アノテーション(EC番号、Gene Ontology)が豊富に追加されているため、リモートホモログ間に共通する基質結合部位や、異なる活性を備えた酵素間で共有される触媒部位などを効率的に発見することが可能である。本データベースは、一般公開してから4か月で、海外14ヶ国から多数のアクセスを受けており、構造ゲノムプロジェクトからもたらされる機能未知のタンパク質に対する機能推定や、構造ベースのインシリコ創薬に対して大きく貢献することが期待されている。今後の方針としては、これまで扱ってこなかったタンパク-核酸、タンパク-タンパク相互作用面のような大きな結合部位も積極的にデータベースに組み込んでいく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SketchSortという基礎的なアルゴリズムの開発から始まり、PDBレベルの大きなデータの解析も終了し、またWebサービスも立ち上げて創薬研究への貢献もある程度できている。ここまでのところは概ね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに開発したアルゴリズムを応用して、タンパク質の三次元構造だけでなく、リガンドの三次元構造(配座)も生かした形での解析を行いたい。それにより、従来にはない創薬支援ツールを作り上げたい。
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