2010 Fiscal Year Annual Research Report
記憶学習に関与する神経回路の可視化とシナプスにおける変化の解析
Project/Area Number |
21680027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 直毅 京都大学, 次世代研究者育成センター, 准教授 (10508956)
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Keywords | 記憶 / シナプス |
Research Abstract |
記憶するということは経験により脳内に生じた"何らかの変化"が維持されることである。この"何らかの変化"は特定の神経回路内に起きると考えられているので、その特定の回路を同定し、そのつなぎ目であるシナプスの分子・細胞変化を明らかにすることが極めて重要な課題である。そこで本研究では、シナプス可塑性に中心的役割を果たすと考えられているAMPA型グルタミン酸受容体の記憶学習時における動態とそのシナプスの形態との関連の解析を行っている。申請者らが開発した誘導系GFP-GluR1トランスジェニックマウスを利用することにより、恐怖条件付け学習直後のGFP-GluR1の局在を共焦点顕微鏡を用いて観察した。その結果、背側海馬CA1領域の錐体細胞の樹状突起上のスパイン(ポストシナプス)の中でも特定の形態を示すスパインにGFP-GluR1のシグナルが高い割合で存在していることが認められた。このことは、多様かつダイナミックに変化するスパインの形態が学習において重要な役割を果たしている可能性を示唆する。次年度は、この結果を踏まえて更に詳細な解析を行う。
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