2009 Fiscal Year Annual Research Report
AβのN末端構造に着目した新規分泌型APPおよび変異型Aβの解析
Project/Area Number |
21680032
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
武田 和也 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 血管性認知症研究部, 特任研究員 (40393160)
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Keywords | 痴呆 / 老化 / 脳神経疾患 / 神経科学 / 蛋白質 / アルツハイマー病 / アミロイド |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)脳に蓄積するアミロイドssタンパク質(Ass)には、N末端やC末端の形状が異なる、様々な分子種が存在する。本研究ではAD患者脳の、主に血管壁での蓄積が見られたN末端の短い分子種であるAss5-40/42に着目し、その生成機構と物性、AD発症への寄与にっいて明らかにすることを目的とする。 Assはその前駆体であるアミロイド前駆体タンパク質(APP)より、プロテアーゼによるプロセシングを経て生成するが、一部に存在する家族性AD(FAD)の原因となる遺伝子変異は、その生成量や分子種に影響を与える。そこで、これらの変異がASS5-40/42の生成に与える影響について定量的に検討するため、新たな分泌型APP(sAPP)の定量システムの構築を試みている。 このシステムで必要となる特異抗体を作製するため、目的タンパク質の一部領域に相当する抗原ペプチドを作製してマウスに免疫した。また抗体の評価用に、sAPPの全領域を培養細胞において発現させるためのベクターを構築した。免疫後、目的とする抗体が産生されたかどうか、血清を採取して、抗原ペプチドを用いたELISAおよび培養細胞で発現させた目的タンパク質に対する交差性をウェスタンブロット法(WB)、さらに免疫沈降法(IP)にて確認した。続いてモノクローナル抗体を得るため、抗体産生が見られたマウスの脾臓よりハイブリドーマを作製し、この培養上清中に分泌された抗体について上記と同様に確認しながら、スクリーニングを重ねた。未だ途中段階ではあるが、WBならびにIPに利用可能な抗体が得られつつある。 またAss5-40/42の物性と、FAD変異が与える影響について解析を行うため、これらペプチドを合成した。現在、その凝集・線維化能についてチオフラビンTや電気泳動法などを用いて検討中である。
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