2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属含有体の検査を可能にする超低磁場MRI装置の開発
Project/Area Number |
21680040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関野 正樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20401036)
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Keywords | 超伝導材料・素子 / 計測工学 / 生物・生体工学 / バイオ関連機器 / 磁気共鳴 |
Research Abstract |
医療診断技術として広く普及している磁気共鳴イメージング(MRI)が苦手とする測定体の一つに、金属含有体がある。本研究では、MRIの磁場強度を従来の10000分の1のレベルまで下げることで、金属含有体の画像検査を可能にするMRI装置を提案し、その基盤技術開発を行う。平成22年度は、MRIを取得するのに必要な、分極コイル、静磁場コイル、傾斜磁場コイルを製作した。MRI測定の最大視野サイズは30mmであり、この範囲内で良好な静磁場の均一性および傾斜磁場の線形性を得られるように、巻線の設計を行った。試料のすぐ外側を囲むように、直径35mmのソレノイド巻線で作られた分極コイルを置き、z方向に30mTの分極磁場を発生できるようにした。静磁場コイルは、2つの円形コイルを対向させるヘルムホルツ型巻線であり、x方向に30μTの均一磁場を発生できる。傾斜磁場コイルは平面型の設計を採用し、xyz方向にそれぞれ傾斜をつけるための3つの要素コイルから構成した。静磁場コイルと傾斜磁場コイルとは、プリント基板に銅箔をパターニングする方法で設計し、1つのユニットにまとめてシールドボックス内に置いた。これら一連のコイルには、合計5チャンネルの電流アンプから、直流または任意波形のパルス電流を供給できる。撮像ではまず、測定体に分極コイルからパルス磁場を与えることで、試料内の水素原子核をz方向に磁化させる。続いてx方向に30μTの静磁場を加えることにより、磁化ベクトルはx方向を回転軸として1.3kHzの周波数で歳差運動して、SQUIDセンサによって微弱な磁場が検出される。
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