2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子鋳型を用いた非侵襲型生活習慣病健診チップの開発
Project/Area Number |
21680041
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
椎木 弘 大阪府立大学, 産学官連携機構, 准教授 (70335769)
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Keywords | 非侵襲計測 / 生活習慣病 / コレステロール / 分子鋳型 / バイオチップ / 高脂血症 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究は生活習慣病健診チップ開発を最終目的として分子鋳型の優れた分子認識能を利用したコレステロールの非侵襲計測法の開発を目指すものである。分子鋳型を電極上に形成し、コレステロール濃度を電気信号として取り出すことで従来法に代わる新しい計測法の確立を目指す。本研究期間では、生活習慣病関連物質に対応する分子鋳型の設計の検討を行った。マトリックスとして単分子膜や高分子膜を用いて電極上に分子鋳型を形成し、分子鋳型と目的物質の分子間相互作用を利用することで分子認識を可能にした。チップを構成する基材としてプラスチックフィルムを用い、プラスチックと結合部位を有する金ナノ粒子を用いてめっきすることで電極部を形成した。金ナノ粒子を用いた電極ではセンサ応答が増大する効果が得られた。これは、電極表面の微細構造により、電流応答が増幅されるためである。また、金に代わる導電材として銀を用いてめっきした電極について検討した結果、金と同等の電気特性が得られた。チップはディスポーザブルであることが好ましく、低コストであることが望まれるため、銀を用いた電極チップについても検討中である。一方、皮膚からの抽出成分について、コレステロールの他、スクワレンなどいくつかの物質が含まれることが明らかになった。それらを目的物質とした分子認識法の開発、あるいは妨害物質として排除する手法についても検討中である。 これらの成果について、学術誌への掲載、国内学会(東京カンファレンス、日本分析化学会など)での発表を行った。
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