2009 Fiscal Year Annual Research Report
基礎医学研究のツールとしての幹細胞動員・増幅能をもつ体内インキュベータの開発
Project/Area Number |
21680042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 Kyoto University, 再生医科学研究所, 助教 (10332735)
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Keywords | 幹細胞 / 人工ニッチ / 核酸アプタマー / 細胞培養基材 / 細胞培養技術 |
Research Abstract |
本研究では、幹細胞の体内動態を制御する因子を固定化した、幹細胞の動員・増幅能をもつ生体材料からなる"体内インキュベータ"を創製することである。平成21年度は、ゼラチン、アルギン酸、ヒアルロン酸などからなるスポンジ状の多孔質材料を作製後、フィブロネクチンなどの細胞接着分子や細胞増殖因子を固定化するためのヘパリンの固定化を行い、細胞接着性や細胞増殖因子の徐放性について検討した。アルギン酸を用いて多孔質材料を作製した場合、1週間以上にわたって細胞を材料内で維持できることがわかった。一方、細胞増殖因子の徐放性生については、in vitroならびにin vivoいずれの場合も2週間以上にわたって徐放化できることを明らかにした。また、徐放化された細胞増殖因子の生物活性について、創傷治癒モデルを用いて評価したところ、生物活性が維持されていることがわかった。幹細胞の動員を確認する方法として、蛍光標識した細胞を用いて、多孔質材料内の細胞を観察可能かどうかについて、共焦点レーザー顕微鏡を用いて評価した。その結果、配向ボア構造をもつ多孔質材料と蛍光標識細胞とを組み合わせることにより、材料内における細胞の挙動を観察できることを明らかにした。一方、核酸アプタマーを作製するために、細胞接着分子であるフィブロネクチン、ラミニンあるいは細胞増殖因子の一つである幹細胞増殖因子について、RT-PCR法による遺伝子クローニングを行い、大腸菌でタンパク質の発現を確認した。現在、得られたタンパク質を精製し、核酸アプタマーの作製を行っている。
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Research Products
(5 results)