2011 Fiscal Year Annual Research Report
三次元医用画像における構造・力学特性の統合表現法の開発
Project/Area Number |
21680044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 恵 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10362526)
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Keywords | 医用システム / 弾性変形 / 人体・臓器モデリング / 手術シミュレーション / 外科手術支援 / 医用グラフィクス |
Research Abstract |
最終年度では、昨年度までに構築した理論・アルゴリズムに基づいたモデリングフリー手術計画支援システムを開発した。関連大学病院の術前計画に導入し、患者実測データを適用した試用試験を通して開発モデルの妥当性、試作システムの有用性を評価した。 (1)モデリングフリー術前シミュレーション試作システムの開発 これまでに開発したアルゴリズムを統合し、三次元医用画像を読み込み後、即座に想定する手術プロセスをシミュレートし、結果を実時間で可視化できる試作システムを構築した。また、医師が簡便な操作で複数の手術アプローチを検討できるインターフェースを開発した。 (2)人体・臓器の構造・力学特性テンプレートの構築 腎腫瘍及び肝がんを対象として、人体.臓器の構造・力学特性を保持した臓器テンプレートを構築した。生体の局所的な弾性分布や組織の接触・固定状態などを保持し、個人の医用画像に位置合わせすることで生体内部の力学特性をより精緻かつ簡便に再現できる枠組みを考案・実装した。 (3)外科手術プロセスの可視化 泌尿器科、胆肝膵・移植外科など複数の診療科における腫瘍摘出術を対象として、体系化された手技を臓器に対する変形や切除などの組み合わせによって記述し、一連の手術プロセスを可視化するアルゴリズムを開発した。 (4)試作システムの術前計画及び術中支援における試用試験 泌尿器科、胆肝膵・移植外科の術前カンファレンスにおける使用を想定した試用試験を実施した。提案する枠組みにより、三次元画像を可視化するだけでなく、変形や加工などの手術プロセスを医師が普段から見慣れたレンダリング像上で直接的にシミュレートでき、術前計画及び術中支援に有効であることを確認した。
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Research Products
(15 results)