2010 Fiscal Year Annual Research Report
世界と日本のエリートスポーツ選手におけるゲノムワイド関連解析
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21680050
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
福 典之 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40392526)
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Keywords | 長距離走選手 / 短距離走選手 / 遺伝子多型 / 核 / ミトコンドリア / ゲノムワイド関連解析 / 候補遺伝子アプローチ / トップアスリート |
Research Abstract |
世界で活躍しているジャマイカ人およびアメリカ人のアフリカ系トップスプリンターのミトコンドリアDNAハプログループを解析した。その結果、ジャマイカ人スプリンターと一般のジャマイカ人の間でハプログループの頻度分布に差は認められなかったが、アフリカ系アメリカ人のスプリンターは一般のアフリカ系アメリカ人と異なるハプログループの頻度分布を示した。 さらに、瞬発系の運動能力を規定する核DNA多型を網羅的に解析するために、アフリカン・アメリカ人トップスプリンター48名ならびにそのコントロール48名の計96名を対象に、核DNAにける100万の一塩基多型および6万のコピー数多型をillumina社製のOmni1-Quad BeadChipを用いて解析した。その結果、スプリンター群とコントロール群の間で有意な多型は10個の多型を同定した(p<0.00001)。まこれらの多型はアフリカ人スプリンターが世界で好成績を残す遺伝的要因の一部である可能性がある。昨年度、解析したジャマイカ人スプリンターの結果と統合し、世界的に好記録を残しているアフリカ系スプリンターの遺伝的特性を解明した。 また、日本人の一流長距離選手に多型解析にも着手した。運動能力との関係で最も注目されているACTN3遺伝子におけるR577X多型を解析した。その結果、これまで持久的運動能力関連すると考えられていたXX型の頻度は国際級の日本人の一流長距離走選手で頻度が低く、これまでの先行研究とは一部異なる結果であった。 今後、さらに日本人において解析し、アフリカ人と日本人の遺伝的背景の相同・差異を明らかにしてトレーニング方法の開発に貢献したい。
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Research Products
(12 results)