2010 Fiscal Year Annual Research Report
食品機能成分の体内動態特性に基づく薬剤性肺障害の予防
Project/Area Number |
21680051
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
板垣 史郎 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (00360925)
|
Keywords | 肺障害 / アミオダロン / OATP2B1 / A549 / 取り込み促進 / ルテイン / コレステロール / NPC1L1 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度までに構築したラット正常肺胞上皮細胞を用いた検討により、生体内環境におけるアミオダロン(AMD)ならびにその代謝物N-モノデスエチルアミオダロン(DEA)の肺蓄積にOatpが関与していることを明らかした。また、我々はヒト由来の肺胞上皮細胞A549におけるAMD/DEA肺蓄積メカニズムにはOATP2B1が関与していうことを報告している。これらの知見は、トランスポータを介したAMDならびにDEAの輸送の制御がAMD誘発性肺障害の予防法構築にあたって有用な標的となる可能性を強く示唆するものである。前述の2細胞系においてAMD/DEAの輸送に影響を与えた化合物が、それらの肺障害作用に与える影響について検討した結果、スルフォブロモフタレイン(BSP)、エストロン-3-硫酸(E-3-S)、デヒドロエピアンドロステロン硫酸(DHEAS)の3種の化合物は、A549細胞に対するAMD/DEAの障害効果を抑制した。さらに、BSPはラット正常肺胞上皮細胞に対するAMD/DEAの障害効果を抑制した。また、A549細胞において、E-3-Sの取り込みがAMD共存により著しく促進されることを見出した。同様の現象は薬物経口投与後の吸収過程の評価モデルとして繁用されているCaco-2細胞においても確認された。 上記の検討に併せ、ほうれん草、卵黄などに豊富に含有される食品機能成分ルテインが高い肺蓄積性を有することを見出した。また、ルテインのトランスポータ阻害作用に関する実験の過程において、ルテインがコレステロールの吸収抑制効果を有する可能性が判明した。検討の結果、ルテインは消化管に存在するコレステロール輸送系NPC1L1を阻害することを見出した(平成23年度にJ. Pham Pharmaceut. Sci.誌にて公表).
|
Research Products
(3 results)