2011 Fiscal Year Annual Research Report
食品機能成分の体内動態特性に基づく薬剤性肺障害の予防
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21680051
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
板垣 史郎 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (00360925)
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Keywords | アミオダロン / OATP2B1 / 取り込み促進 / 発現促進 |
Research Abstract |
前年度の検討では、ヒト由来肺胞上皮細胞A549ならびにヒト消化管上皮細胞株Caco-2におけるアミオダロン(AMD)によるOATP2B1典型基質エストロン-3-硫酸(E-3-S)の取り込み促進現象が見出された。この現象は、AMDがOATP2B1の基質となる毒性物質の消化管吸収ならびにそれに続く肺胞移行を促進し、蝋D誘発性肺障害をもたらすという可能性を示唆するものである。AMDによるOATP2B1を介した取り込み促進機構について検討を行った結果、Caco-2細胞において、AMDが3種のOATP2B1典型基質、スルフォブロモフタレイン(BSP)、デヒドロエピアンドロステロン硫酸(DHEAS)、タウロコール酸(TC)の取り込みを促進すること、その取り込み促進現象は、共存5分という短時間でも確認されること、Na^+freeならびにCl^-freeの条件下で減弱することが明らかとなった。AMDによるE-3-Sの取り込み促進に対する種々OATP2B1基質の共存効果を評価したところ、BSPならびにE-3-SはmmによるE-3-Sの取り込み促進現象をほぼ完全に消失させたが、DHEASやプラバスタチン、ベンジルペニシリンがこの取り込み促進現象に対して与える影響は大きくなく、OATP2B1基質となる化合物でも、その構造によりOATP2B1を介した取り込み促進現象に与える影響は異なることが示唆された。 また、取り込み促進現象に対する速度論的解析の結果、取り込み促進はV_<max>の増大すなわち、輸送活性の増大に起因するものであることが明らかとなった。そこで、OATP2B1の蛋白発現量について検討を行ったところ、AMD処置5分でOATP2B1蛋白発現量が急速に増大し、その後緩やかに減少し、処置後240分の時点で発現量が非処置時と同程度まで減少することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)