2009 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実とタンジブルの技術を用いて空間認識能力を育成する科学教育方法論の確立
Project/Area Number |
21680053
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森田 裕介 Waseda University, 人間科学学術院, 准教授 (20314891)
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Keywords | 教材情報システム / ヒューマン・インターフェイス / 実験・観察 |
Research Abstract |
本年度は,空間認識能力を育成するタンジブル教材の開発と評価を行った.まず,これまでに開発されてきたマルチメディア教材やVR教材に関する先行研究を整理し,まとめた.1980年代の空間認識の調査,1990年代の教材,2000年以降の視点移動能力を育成するための地球儀型教材やマルチメディア教材,ビデオ教材,VR教材等の成果を鑑み,タンジブル教材を開発する意義を再確認した.次に,児童・生徒が容易に操作できるように実物槙型と仮想空間を連動させ,視点移動を行うことが可能な,テーブルトップ型インタフェースのタンジブル教材を設計した.そして,AR (Augmented Reality:拡張現実)の技術を応用し,タンジブル教材を開発した.タンジブル教材は,テーブル上の実物模型を見る視点(児童・生徒自身の眼)からの視点移動を実現するため,模型からの2視点(太陽,地球,月,宇宙船)をモニタに投影することが可能である.以上の成果を学会で発表した.続いて,VR教材を使った授業を体験したことがあり.タンジブル教材の有用性について評価することが可能な高等学校の生徒を被験者として評価実験を行った.実験では,3人~4人のグループを構成し,4つの課題を実施した.また,課題の前後に理解度テストと空間認識テストを実施した.課題終了時にはアンケート調査を実施した.その結果,空間認識テストの得点が上昇する傾向が見られた.グループ活動を分析した結果,生徒は能動的かつ協調的に教材を操作し,思考錯誤しながら現象を説明する課題を遂行していたことが明らかになった.また,アンケートの結果からタンジブル教材の有用性が示唆された.以上の成果を原著論文としてまとめ,採録決定となった.
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Research Products
(3 results)