Research Abstract |
本年度は,実空間と仮想空間が連動したタンジブル教材を開発し,開発した教材のインタフェースに関する評価実験を行った.また,実践的活動による有用性の検討:児童・生徒を対象とし,開発した教材の有用性を明らかにするとともに,空間認識能力の育成方法に関する知見をまとめた.なお,昨年度からの課題であった空間認識力の横断的調査は,震災等の影響で参加校への依頼が滞り,実施できなかった. まず,インタフェースに関する評価実験では,タンジブル太陽系教材において実物模型を使って天体CGを操作することによる効果を空間認識の観点から評価した.大学生を対象に,2種類のインタフェースを介する比較実験を行った結果,天体模型を用いることによって,学習者の興味,操作に対する集中力,理解,授業活用における有用性に対して高い評価を得た.また,空間認識が苦手な学習者に対して天体模型は,直感的な操作を促し,地球視点の映像への集中力や,学習意欲を高めることが示された. 次に,実践的活用による有用性の検討では,まず,愛知県蒲郡市立蒲郡西小学校の協力を経て,「月の満ち欠け」単元の実践研究を行った.次に,埼玉県さいたま市慈善寺中学校において,「金星の満ち欠け」単元の授業を実施した.実践研究では,教諭らと共同で,天体領域における授業案を作成した.そして,約4週間に渡る実践授業を実施し,児童の理解度等を測定した.分析の結果,従来のビデオ教材,CG教材,ボール・ライト教材,タンジブル教材を比較した.分析の結果,実物を提示しているタンジブル教材の効果が明らかになった.最後に,本成果を国際学会SITEにて発表した.
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