2010 Fiscal Year Annual Research Report
数値モデルを用いた大気エアロゾルの気候に対する影響の予測
Project/Area Number |
21681001
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹村 俊彦 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90343326)
|
Keywords | エアロゾル / 地球変動予測 / 環境質定量化・予測 / 環境変動 / 気象学 / IPCC / 気候モデル / 排出量シナリオ |
Research Abstract |
大気浮遊粒子状物質(エアロゾル)は、人類および他生物の呼吸器系等に悪影響を及ぼしたり視界悪化を招いたりする他、気候変動を誘発する物質である。本研究課題では、エアロゾルの分布および気候に対する影響を、現在から数十年~百年スケールで予測することを目的とした。今年度は、昨年度に整備した全球エアロゾル相互比較プロジェクトAeroComや気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による最新のエアロゾル関連排出量データベースを使用して、過去30年を対象としたエアロゾルシミュレーションを全球エアロゾル気候モデルSPRINTARSにより行った。観測データのある過去のシミュレーションを行うことにより、モデルの性能の再検証を行うことが可能となる。比較対象として利用したエアロゾル観測データは、地上観測網や人工衛星搭載センサの受動センサから得られた水平2次元のパラメータや、能動センサから得られた3次元のパラメータである。これらの観測データと比較して、エアロゾル分布に関して、シミュレーション結果は良い一致を見た。また、世界各地において数十年スケールで質の高い観測値が得られている地上での太陽放射量について、その時間変動とエアロゾル濃度とは相関があることが、本研究課題のシミュレーションにより強く示唆された。「最先端・次世代研究開発支援プログラム」採択により、本研究課題は辞退する必要があるため、来年度に予定していたエアロゾル気候影響の将来予測は、同プログラム内で継続して行うことする。今年度の研究成果として、2件の査読論文発表と7件の学会発表を行った。
|
Research Products
(11 results)