2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21681003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹内 望 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30353452)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 氷河 / 天山山脈 / アラスカ / 雪氷藻類 / 雪氷生物 / 微生物 / クリオコナイト / グリーンランド |
Research Abstract |
本年度は,昨年度までの調査によって得られたアラスカ,中国天山山脈の氷河の試料の化学分析および生物分析を行った.中国天山山脈の氷河の過去6年間にわたる試料の雪氷藻類分析では,藻類群集のに大きな変化はなかったものの,末端付近および中流部雪線付近に,種構成の変化がみられた.これは,近年の気温上昇による雪線高度の後退および末端からの風送物質の変化によるものと考えられる.さらに,末端付近および中流部雪線付近の群集構造の変化は,アラスカやヒマラヤの氷河の変化とも共通しており,温暖化に伴う微生物群集の変化は,一般的に氷河の末端付近および中流部雪線付近にまず現れることが示唆された.アラスカの氷河の試料分析では,Sr-Nd安定同位体比の分析によって風送鉱物粒子も過去10年にわたって種類が変化していることが示唆された.また,氷河上の微生物も鉱物粒子からの物質を栄養塩として取り込んでいることが明らかとなり,このような風送物質の変化も氷河微生物群集に影響を与えていることが示唆された. 本年度7月から8月にかけては,グリーンランド氷床の調査を行った.衛星画像の分析では,過去10年にわたってグリーンランド氷床の表面の反射率が大きく変化していることが明らかになった.今回の調査で得られた試料の分析の結果,反射率の変化の原因は雪氷微生物由来の有機物であることがわかった.この結果からとくにグリーンランド氷床では近年の氷河生態系の変化が大きく,反射率を介して融解にも影響している可能性が強く示唆された. 本研究の成果を広く公開するために,5月から7月にかけて滋賀県の博物館,探検の殿堂にて,氷河生物に関わる展示を行った.さらに9月には広島県福山市で行われた雪氷学会の一般向けイベントで,研究成果の紹介を行った.また,成果は学会での発表を3件行い,学術論文として現在投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Distribution of antibiotic resistance genes in glacier environments2012
Author(s)
Segawa, T., Takeuchi, N., Rivera, A., Yamada, A., Yoshimura, Y., Barcaza, G., Shinbori, K., Motoyama, H., Kohshima, S., Ushida, K.
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Journal Title
Environmental Microbiology Reports
Volume: 5
Pages: 127-134
DOI
Peer Reviewed
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