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2009 Fiscal Year Annual Research Report

X線マイクロビームを用いたクラスターDNA損傷による生物効果の解明

Research Project

Project/Area Number 21681006
Research InstitutionCentral Research Institute of Electric Power Industry

Principal Investigator

冨田 雅典  Central Research Institute of Electric Power Industry, 原子力技術研究所, 主任研究員 (00360595)

KeywordsクラスターDNA損傷 / マイクロビーム / X線 / 放射線影響 / バイスタンダー応答
Research Abstract

1. クラスターDNA損傷の線量依存性な質的変化の解析
1.49keVの軟X線マイクロビームを、細胞核の一部に局所的に照射することによって生じたDNA損傷を、免疫抗体法による多重染色を行って解析した結果、線量が低い場合は、DNA1本鎖切断を認識するPARP-1が照射部位に集積するが、線量を高くすると、PARP-1に代わり、DNA2本鎖切断を認識する53BP1が集積することを見出した。この結果は、線量が低い場合は、DNA切断がある一定の間隔で生じているが、線量を高くすると、DNA切断数が多くなり、互いに近接するため、DNA2本鎖切断として認識されることを意味する。また、細胞を照射後、塩基除去修復酵素であるEndo IIIとFpgで処理することにより、TUNEL法のみではDNA損傷が検出できない線量域でもDNA損傷を検出できることも明らかになった。以上から、直径約2マイクロメートルの軟X線マイクロビームを、細胞核の一部に照射することによって、重イオン線を照射した場合と類似した局所的なDNA損傷(クラスターDNA損傷)が生じるが、その損傷の質的内容が、線量に依存して大きく変化することを示唆している。
2. クラスターDNA損傷のタイムラプス観察による解析
軟X線マイクロビームを照射するために、ポリプロピレンフィルム上にHeLa細胞を培養し、蛍光タンパク質であるGFP、DsRedと融合した、ヒストンH2B、DNA2本鎖切断修復タンパク質であるNBS1を発現させる系を確立した。軟X線マイクロビームを、細胞核の一部に照射後、共焦点レーザー顕微鏡を用いて一定時間ごとに観察を行った結果、ヒストンH2Bについては、顕著な違いが見いだせなかったが、NBS1は照射部位に蓄積する傾向が認められた。ただし、免疫抗体染色法により観察した場合とは結果に差があるため、更なる検討を行っていく。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010 2009 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Bystander Cell Killing in Normal Human Fibroblasts is Induced by Synchrotron X-ray Microbeams2010

    • Author(s)
      Masanori Tomita
    • Journal Title

      Radiation Research VOL.173

      Pages: 380-385

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] X線マイクロビームを用いた放射線誘発DNA損傷修復機構の解析2009

    • Author(s)
      冨田雅典
    • Organizer
      第47回日本生物物理学会年会
    • Place of Presentation
      アスティとくしま(徳島県)
    • Year and Date
      2009-11-01
  • [Remarks]

    • URL

      http://criepi.denken.or.jp/jp/ldrc/result/results.html

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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