2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機修飾層状複水酸化物を用いたプロセス溶液からのレアメタルの分離回収技術
Project/Area Number |
21681007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀田 知人 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60333895)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 層状複水酸化物 / 有機酸アニオン / 金属イオン / キレート錯体形成 / 捕捉 / 溶解 / 架橋構造 / 有機修飾 |
Research Abstract |
研究代表者は、キレート錯体形成能を有するクエン酸(CA)、リンゴ酸(MA)、酒石酸(TA)を層間にインターカレートしたMg-Al系層状複水酸化物(Mg-Al LDH)が、水溶液中の金属イオンを捕捉できることを明らかにした。しかし、反応の過程においてLDHからのMgイオンの溶出が大きかった。そこで本年度は、LDHホスト層の2価金属としてMgよりも溶解度積の小さいNiを用いて有機修飾Ni-Al LDHを合成し、金属イオンの捕捉を検討した。 CA溶液、MA溶液、TA溶液各250mLを30℃で攪拌し、Ni/Alモル比3.0、[Ni2+]+[Al3+]=0.5MのNi-Al混合溶液250mLを滴下した。pHは7.0に保持した。1h攪拌後、生成物を濾過、洗浄、減圧乾燥した。生成物は、それぞれCA、MA、TAイオンを層間にインターカレートしたNi-Al LDHであった。生成物のNi/Alモル比は2.5であり、CA/Al=0.63、MA/Al=0.84、TA/Al=0.91であった。1.0mMのCu2+溶液500mLに、合成したNi-Al LDHを有機酸イオン/Cu2+モル比2.0で加え、30℃で、pHを5.0に保ちながら攪拌した。CA型を用いた時Cu2+濃度は急激に低下したが、MA型およびTA型については、ほとんど濃度低下は見られなかった。CA型以外では、有機酸イオンがLDHホスト層のOH基と置換され、ホスト層とホスト層の間で架橋構造を形成したため、LDH層間において有機酸イオンのキレート形成能が低下したと考えられる。またMg-Al LDHと比較して、Ni-Al LDHではホスト層2価金属の溶出は、全ての場合において大きく抑制することができた。以上、ホスト層の金属を選択することにより、溶解しにくく、かつ溶液中から金属イオンを捕捉可能な有機修飾LDHを合成できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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